発行日 2005年12月1日
Published Date 2005/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2006078608
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49歳女.右乳房腫瘤を主訴とした.右乳房C領域に弾性硬で境界やや不明瞭な約5×5cm大の腫瘤を,また,右腋窩に径約3cmの腫大したリンパ節を触知した.マンモグラフィー,乳腺エコー,MRI所見より右乳癌T2N1M0 Stage IIBと診断し,胸筋温存乳房切除術および腋窩リンパ節郭清術を行った.腫瘍は最大径35mm,境界は比較的明瞭,弾性硬,充実性で,内部には一部変性壊死を認めた.病理組織所見では,紡錘型および上皮様の異型細胞の増生がみられ,これらは互いに移行像を示した.免疫組織学的には肉腫瘍細胞,上皮様細胞は共にサイトケラチン抗体,EMA抗体,ビメンチン抗体陽性で,紡錘細胞癌と診断した.Ki-67は,200倍視野でランダムに10視野を検索したところ,肉芽様細胞部分33.3%,上皮様細胞部分20.5%に陽性所見がみられた.術後CMF療法を施行したが術後11ヵ月で肺腫瘍を認め,術後13ヵ月で死亡した
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