発行日 2010年7月1日
Published Date 2010/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2010284100
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2001~2007年にかけ著者らが経験した両側乳癌症例12例を対象に臨床病理学的検討を行った。その結果、同時性乳癌は4例、異時性乳癌は8例であった。発症時の平均年齢は同時性60.3歳、異時性の第1癌が51.1歳、第2癌が62.1歳であり、異時性の第2癌発症までの間隔は平均11.0年であった。発見動機は同時性では腫瘤触知が75.0%、異時性の第1癌では腫瘤触知が50.0%、第2癌では定期検査での視触診とマンモグラフィでの異常が50.0%と最も多かった。組織型は浸潤性乳管癌が66.7%を占めており、両側乳癌の組織型の一致率は41.7%、同時性75%、異時性25%であった。ホルモンレセプターの一致率は同時性でERが50%、PgRが100%、異時性でER、PgRともに40%であった。病期分類II期までの症例は同時性で75%、異時性の第1癌37.5%、第2癌75%であった。乳房切除術は同時性87.5%、異時性の第1癌87.5%、第2癌50.0%、乳房温存術は同時性12.5%、異時性の第1癌12.5%、第2癌50.0%で施行された。予後は同時性では平均2年11ヵ月の観察期間で死亡50%、異時性例では第2癌術後平均2年8ヵ月の観察期間で全例、生存中であった。
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