発行日 2001年2月1日
Published Date 2001/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2001181873
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58歳女.左乳房腫瘤の増大傾向を主訴とした.マンモグラフィー,超音波検査所見,MR,穿刺吸引細胞診,胸部単純X線,腹部CT,エコー,骨シンチグラフィーから,左乳癌T3bN1bM0 stage IIIaと診断し,胸筋温存乳房切除術を施行した.組織学的所見では,腫瘍の大部分が紡錘形の異型細胞が密に増生し,肉腫様の配列をとっていたが,一部では充実腺管様の上皮様配列がみられ,spindle cell carcinomaと診断された.免疫組織学的染色では,cytokeratin,vimentin,S-100染色において紡錘形腫瘍細胞は強陽性を示し,smooth muscle actin染色では陰性を示した.これにより腺癌から筋上皮および扁平上皮への化生が同時発生したものと考えられた.術後7ヵ月現在,再発転移の徴候はない
©Nankodo Co., Ltd., 2001