発行日 2005年12月1日
Published Date 2005/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2006078607
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痔核に対する外来保存的治療(ゴム輪結紮法,硬化療法)について検討した.ゴム輪結紮法は,主にI~III度の痔核を対象とし,約40名の患者に約100回施行したところ,ハイリスク患者1例に合併症と考えられる出血が生じた.ゴム輪結紮法を2回以上施行した患者21名に対するアンケートでは,自覚症状の改善を17名(81%)が認め,19名(90.5%)がこの治療を受けて良かったと答えた.硬化療法は,主に出血性内痔核を対象とし,ゴム輪結紮法が不適応な超高齢者,ハイリスク患者にも行った.15名に施行したところ,出血には非常に効果的で,大きな合併症もみられなかった.しかし,施行時の痛みはゴム輪結紮法よりも強く,特に肛門鏡が肛門に接触する部分で強かった.ゴム輪結紮法,あるいは硬化療法施行例のうち,5例では十分な効果や出血等の改善がみられず,手術に移行した.合併症なく安全と考えられる症例にはゴム輪結紮法を,リスクのある症例には硬化療法を選択すべきであると思われた
©Nankodo Co., Ltd., 2005