発行日 2014年7月1日
Published Date 2014/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2014367331
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80歳女。約2ヵ月前の健診で胸部異常を指摘され、CTで肺に異常はないものの左乳腺腫瘤を発見され紹介となった。腫瘍マーカーCEA、CA15-3は正常範囲内であった。乳腺超音波で左乳房C領域に1.3cm大、境界不明瞭、辺縁不整、内部エコーが不均一な低エコーの腫瘤像を認め、マンモグラフィでは同領域に境界不明瞭、内部濃度が不均一な腫瘤像を認めた。造影MRIでは辺縁が不整で辺縁がリング状に染まる腫瘤像を認め、穿刺吸引細胞診で悪性葉状腫瘍疑いと診断された。乳房部分切除術を施行し、切除標本で腫瘤は辺縁が不整な1.3cm大の腫瘍で、内部に一部出血と壊死を伴っていた。病理組織学的に腫瘍細胞は紡錘形の形態を示すものが多く、束状から不明瞭なstoriform状の配列を示していた。また、一部が上皮配列を示し、紡錘形細胞との間で移行像がみられた。病理診断はstage Iの紡錘細胞癌であった。術後補助療法として放射線治療を行い、術後約2年の経過で再発は認めていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2014