発行日 2007年1月1日
Published Date 2007/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2007117984
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著者らが最近3年間に経験した腸腰筋膿瘍11例の臨床的特徴と治療経過について検討した。その結果、1)全例38~39℃の発熱を認め、うち5例は敗血症の状態であった。腰痛は10例、鼠径部痛は5例、下肢の浮腫は7例、腸腰筋肢位は6例に認めた。起因菌はMSSA、MRSA、Straptococcusが各3例、不明2例であった。2)膿瘍の発生部位は腰筋が8例、腸筋が7例、仙腸関節が1例、股関節周囲が6例、硬膜外が2例で、膿瘍サイズは径10mm未満の軽度が3例、径10~30mm未満の中等度が4例、径30~50mmの高度が4例であった。3)治療経過では、抗生剤投与を全例に行い、うち4例は保存的治療のみで治癒した。その他6例は抗生物質でCRP値や臨床所見の改善を認めず、切開排膿を行い、治癒した。残る1例は入院2日目に肺血性ショックにて死亡となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2007