発行日 2012年11月1日
Published Date 2012/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2013026103
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
63歳女。発熱と臀部痛を主訴とした。左変形性股関節症に対する人工股関節置換術を受け、52歳時の脳梗塞による片麻痺のため歩行不能で、車椅子からの転落後より臀部痛が持続した。初診時は臀部~両下肢の疼痛、臀部の圧痛、会陰部の感覚脱失を認めた。血液培養でメチシリン感受性黄色ブドウ球菌、尿培養でEnterococcus faecalisを検出した。また、腹部造影CT、MRI所見にて左右大腰筋と腸骨筋に多房性膿瘍、仙骨骨折を認めたことより、仙骨骨折に続発した仙骨部膿瘍、腸腰筋膿瘍と診断した。第3病日に超音波ガイド下に右大腰筋膿瘍の経皮的ドレナージを行い、カテーテルを留置して持続吸引を行った。臀部痛と発熱が持続し仙骨部膿瘍が縮小しないため、透視装置下で経仙骨椎弓根的に仙骨部膿瘍の経皮的ドレナージを行い、アトム多用途チューブで持続吸引を行った。その後、第30病日にCRP値の改善、臀部痛の軽快、創部の治癒を認め退院となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2012