発行日 2005年11月1日
Published Date 2005/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2006063265
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89歳女.前医にて直腸脱に対して経肛門的手術を施行し,術後7日目より腹痛,発熱が出現した.入院時検査所見では,炎症所見,腎機能低下を認めた.腹部単純X線にて上腹部にニボーを認め,腹部CTではイレウス管挿入後,小腸の拡張および右下腹部の腸管狭窄像を認めた.抗生物質投与,絶食,イレウス管挿入にて保存的加療を行ったがイレウス症状は改善せず,内ヘルニアによる慢性イレウスを疑い,入院25日目に診断を兼ねた腹腔鏡下手術を施行した.回盲部より小腸を口側へ鉗子を用いてたどると,回腸末端より口側約70cmの小腸が約15cmにわたり盲腸後窩の後腹膜欠損部に入り込み嵌頓していた.嵌頓小腸を無傷鉗子にて把持し,慎重に引きずり出し嵌頓を解除した.ヘルニア門周囲を切開し,ヘルニアとなる空間がないことを確認後,手術を終了した.術後は良好な経過をたどり,12日目に退院となった
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