発行日 2011年6月1日
Published Date 2011/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2011219013
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81歳女。近医にてイレウスと診断され、水溶性造影剤を服用して大腸までの通過を確認したが嘔吐を繰り返すため紹介受診となった。腹部膨満、右下腹部に軽度圧痛、軽度の炎症所見を認め、X線で拡張小腸ガスを認めたためイレウスチューブを挿入して腸管減圧を行い、大腸カメラで腫瘍性病変のないことを確認した。入院後6日のMDCTで回腸の拡張と閉塞を認め、盲腸は内側へ圧排され、造影検査で右下腹部に腸管狭窄像を認め、保存的治療は困難と判断して7日目に腹腔鏡下手術を施行した。盲腸外側に回腸の嵌頓を認め、回腸を鉗子で愛護的に把持してヘルニア門から引き出し、嵌頓していた約8cmの回腸に虚血所見はなく腸管切除は不要であり、約2cmのヘルニア門を腹腔鏡下に縫合閉鎖した。経過良好で術後2日目に食事を開始し、8日目に退院した。
©Nankodo Co., Ltd., 2011