発行日 2011年8月1日
Published Date 2011/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2011338805
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2007年2月~2010年9月の間にポートアクセス胸腔鏡下肺区域切除術が施行された原発性肺癌43例、転移性肺腫瘍27例の計70例(男性38例、女性32例、年齢40~83歳、平均年齢67.2歳)を対象に、術後に切除断端部に不良肺を生じた症例について検討した。その結果、1)区域切除例全体の手術時間は平均169.3(45~325)分、術後胸腔ドレーン留置期間は3.8(1~19)日、術後在院日数は10.2(3~26)日であった。2)術後の胸部CT水平断にて厚さ10mm以上の不良肺を生じた症例は7例(10%)にみられ、良好肺群(63例)と不良肺群との2群間で手術時期のみ不良肺の発症頻度に有意差が認められた。3)術側では左側、区域間切離では自動縫合器のみの症例が不良肺を生じやすい傾向がみられた。また、術式別では左S1+2区域切除が7例中4例で不良肺を生じていた。以上より、区域間の同定が困難な症例や区域間が三次元的で切離が複雑な症例では胸腔鏡にこだわらず開胸も併用すべきと考えられた。
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