発行日 2005年9月1日
Published Date 2005/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2006034899
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72歳女性.患者は左乳頭直下の腫瘤と左乳汁分泌で受診となった.所見では,左乳頭直下に径3cm大,弾性硬,表面平滑,境界明瞭,可動性良好な腫瘤が触知でき,マンモグラフィでは左乳頭の内側下方に3cm大の内部均一な高濃度腫瘤を認め,超音波では左乳頭直下に内部に形状不整,辺縁粗雑,内部エコーが不均一な充実性腫瘤を伴う嚢胞を認めた.穿刺吸引細胞診では嚢胞部は検体適性,良性と判断し,乳管内乳頭腫が考えられ,腫瘤部は検体適正,識別困難と判定された.針生検でも確定診断が得られず,腫瘤摘出術を施行したところ,病理組織所見では嚢胞状成分と充実性成分が混在し,充実性成分に腺管構造を呈する乳管上皮を認め,間質は高度の硝子化を伴って増生し,一部偽浸潤像を呈していた.上皮の2層性は保たれ,アポクリン化生を伴っており,異型を伴う乳頭部腺腫と診断された
©Nankodo Co., Ltd., 2005