発行日 2005年6月1日
Published Date 2005/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2006003420
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42歳男.左外鼠径ヘルニアに対しメッシュプラグ法による根治術の既往があり,術施行6年後に左下腹部痛が出現した.左鼠径部に圧痛を伴う腫瘤が触知され,腹部CTでは鼠径部に触知される腫瘤と一致して腹壁より腹腔内にテント状に突出する,ややhigh densityで均一な腫瘤像を認めた.以上の経過より,メッシュプラグが原因となった異物肉芽腫と考え,手術を施行した.切除標本肉眼所見にてメッシュはほぼ原型を保っていたが,大きさは6×4×3cmとわずかに退縮しており,周囲に軽度の線維性の肥厚を認めた.病理組織像上,透明なメッシュの周囲に異物型の多核巨細胞の増生,血管の拡張と軽度の線維化を伴う結合織がみられ,異物肉芽腫の診断であった.術後の経過は著変なく,3ヵ月経過時点で,異常は認められなかった
©Nankodo Co., Ltd., 2005