発行日 2005年5月1日
Published Date 2005/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2005191729
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63歳女.直腸癌に対し低位前方切除術が実施され,第10病日に退院後,腹部CT上で肝S1に径約2cmの低吸収域を認め,転移性肝癌が疑われた.転移性肝腫瘍の診断のもと,atenololとbarnidipine hydrochlorideの内服後に手術を施行した.尾状葉を伴う肝拡大左葉切除術を施行し,術中所見にて肝左葉切除術が妥当と判断し,肝を切除した.術中収縮期血圧は60mmHg台まで低下し,methoxamine hydrochlorideを使用し70mmHg台を維持した.抜管後全覚醒で帰室し,dopamine hydrochlorideとdobutalmine hydrochlorideを併用し血圧を維持し,術後10時間目には血圧90/20mmHgまで改善した.現在,腹部CT上腫瘍の再発を認めず,血圧,脈拍共に安定している
©Nankodo Co., Ltd., 2005