発行日 2010年11月1日
Published Date 2010/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2011034204
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
75歳女。胃癌に対し幽門側胃切除術を受け、半年後に肝S7に転移を認めたためラジオ波凝固療法(RFA)を行った。その8ヵ月後、RFA施行部位内側に低吸収域を認め、転移性肝腫瘍再発の診断で肝部分切除を行った。術後抗癌剤を内服していたが、1年後に左上肺野に10mm大の結節影を認め、徐々に増大して約7ヵ月で23mmとなった。CTで右肺上区に22×25mm大で、辺縁に胸膜陥入像を伴う比較的境界明瞭な腫瘤を認め、右中葉にも10mm大の類似病変が存在した。PETでは両腫瘍に一致して異常集積を認め、他部位に集積はなかった。胃癌の肺転移を疑ったが、原発性肺癌を否定できず、二期的に手術を行うこととし、左肺病変に対して左上区域切除を、その1ヵ月後に右肺病変に対して部分切除を行った。病理組織所見では両病変とも異型細胞がやや大型の分化した管状構造を呈し、壊死像を伴っていた。胃癌の原発巣に酷似しており、胃癌の肺転移と診断された。術後経過良好で、2年経過して再発はない。
©Nankodo Co., Ltd., 2010