発行日 2017年4月1日
Published Date 2017/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2017233263
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71歳男性。肺癌術後11ヵ月の血液検査にてCEAの上昇、腹部CTにて単発の肝腫瘍を認め、精査入院となった。腹部dynamic CTでは肝S6に径35mm大の動脈相で辺縁が造影される低吸収域を認め、造影MRIで腫瘍はT2強調像にてやや高信号、拡散強調像にて高信号、肝細胞相で低信号を示した。PET-CTでは肝S6の腫瘤SUVmax 7.0の集積を認め、肝十二指腸間膜リンパ節にも淡い集積がみられた。臨床経過・画像所見から転移性肝腫瘍または肝内胆管癌と診断し、肝S6部分切除・肝十二指腸間膜リンパ節郭清を施行した。病理組織学的に転移性肝腫瘍と診断され、術後補助化学療法としてUFT投与を開始した。CEAは術後いったん低下したが、術後2ヵ月で再上昇し、腹部CTで肝転移、腹腔内リンパ節・縦隔内リンパ節にも転移を認めた。erlotinibの投与を行なった結果、術後6ヵ月経過現在、再発生存中である。
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