発行日 2010年10月1日
Published Date 2010/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2011002901
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
大腸癌同時性肝転移に対し原発巣切除を施行した15例を対象に、臨床病理組織学的因子と予後の関係を検討した。その結果、1)術後治療は10例(66.7%)で施行され、肝動注化学療法8例(53.3%)、全身化学療法2例(13.3%)であった。2)予後は全例が癌死で、原発巣切除後の生存期間は平均17.2ヵ月であった。3)原発巣の局在、壁深達度、リンパ節転移、腹膜転移、更に組織型、肝転移の程度、リンパ管侵襲、静脈侵襲により生存期間を比較したところ、静脈侵襲、リンパ管侵襲で生存期間に有意差がみられた。4)原発巣の静脈侵襲陽性例、中等度以上のリンパ管侵襲を認める症例では予後不良であり、全身化学療法を含めた治療法の検討が必要と考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2010