発行日 2004年7月1日
Published Date 2004/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2004272425
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91歳女.左大腿基部痛,悪心,嘔吐を主訴とした.腹部X線像で鏡面形成像を認め,イレウスと診断された.消化管造影で,造影剤が左骨盤内で途絶し,小腸の閉塞を認めた.腹部CTでは,小腸内に液体貯留を認め,左閉鎖孔から腸管の突出を認めた.左閉鎖孔ヘルニア嵌頓によるイレウスと診断し,腹膜刺激症状や炎症反応の悪化が認められなかったため,全身症状の改善を待って腹腔鏡下イレウス解除,左閉鎖孔ヘルニア嵌頓根治術を施行した.腹腔内の観察により,容易に嵌頓が解除でき,腸切除が必要ないことを確認した.ヘルニア修復は腹膜外到達でのメッシュプラグによる方法を選択したが,プラグを閉鎖孔に挿入固定する手術が比較的容易で,確実にヘルニア門を閉鎖できた.術後経過は良好で,術後1年か4ヵ月を経過する現在,ヘルニアの再発,閉鎖神経の刺激症状は認めていない.今回選択した手術法は,比較的手技が容易で,低侵襲の術式と思われた
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