発行日 2006年2月1日
Published Date 2006/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2006151911
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85歳,女.嘔吐,下痢を主訴とした.79歳より多発性脳梗塞で寝たきり状態となった.受診時,腹部膨満,筋性防御,Blumberg徴候を認めた.腹部単純X線所見では小腸および大腸に多量のガス像がみられた.腹部超音波所見では肝内門脈に沿って点状の高エコー像が散在していた.腹部CTでは肝両葉の辺縁に達する樹枝状のガス像および上腸間膜静脈内のガス像を認めた.門脈ガス血症を伴う腹膜炎と診断し緊急開腹した.骨盤内では右閉鎖孔が開大し,回腸末端より約200cm口側の回腸壁に嵌頓による漿膜下出血痕を認めた.右閉鎖孔ヘルニア回腸嵌頓による門脈ガス血症と診断し,右閉鎖孔ヘルニア修復術を行った.術後3ヵ月,軽快退院した
©Nankodo Co., Ltd., 2006