発行日 2002年11月1日
Published Date 2002/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2003116858
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89歳女性.自然還納と再嵌頓をCTにて確認し得た閉鎖孔ヘルニアの1例を経験した.腹痛,嘔吐で受診した.腹部X線で多量の小腸ガス像を認め,骨盤部CTでは右恥骨筋と内閉鎖筋の間隙に嵌頓した腸管を認めて,右閉鎖孔ヘルニア嵌頓によるイレウスと診断した.手術予定で,水溶性消化管造影剤(amidotrizoic acid)を経口投与したら,1時間半後に排便があり腹痛は消失した.3時間後の腹部X線では小腸ガス像も消失してamodotrizoic acidは大腸へ流れ,イレウス像は改善して手術は中止した.腹部CTでは嵌頓腸管も消失していた.約1ヵ月後に再度嘔吐が出現し,CTで閉鎖孔ヘルニアの再嵌頓と診断して手術を施行した.小腸の嵌頓を解除し,ヘルニア門の腹膜を縫合閉鎖した.閉鎖孔ヘルニアの診断にはCTがきわめて有用であると考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2002