発行日 2004年5月1日
Published Date 2004/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2004211689
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症例1(61歳男).下血を主訴とした.8カ月前に盲腸憩室からの出血に対して金属コイルによる塞栓術を受けたが,再度下血した.注腸X線,腹部CT,にて回盲部に数個の憩室を認め,上部・下部消化管内視鏡にて右側結腸が出血源と考えられた.結腸憩室症と診断して腔鏡補助下に回盲部分切除,端々吻合術を行い,術後経過は良好で下血の再発は認めていない.切除標本には仮性憩室3個があり,周囲には炎症性細胞の軽度浸潤がみられた.症例2(57歳女).右下腹部痛を主訴とした.右側結腸憩室炎に対して抗生物質投与を受けたが改善しなかった.腹部CT,注腸X線にて回盲部は浮腫状で,上行結腸から盲腸にかけて拡張不良と憩室数個を認めた.結腸憩室症と診断し,腹腔鏡補助下で回盲部分切除,端々吻合術を施行したところ右側結腸は周囲組織と高度に癒着して腫瘤様であった.切除標本には仮性憩室数個を認め,一部は腸間膜内に穿通して膿瘍を形成していた.術後経過は良好で症状の再燃は認めていない
©Nankodo Co., Ltd., 2004