発行日 2004年11月1日
Published Date 2004/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2005034229
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68歳女.左上腹部痛,下血を主訴とした.血液検査では貧血,炎症所見,低栄養を認めた.発症から約2週間後の造影CTでは,横行結腸左側から脾彎曲部に虚血後の炎症反応に伴うと思われる腸管壁の造影効果増強を認めた.また,約1ヵ月後の注腸造影検査では,横行結腸脾彎曲部に主にニッシェ像,部分的にthumb printingを呈する15cmにわたる全周性狭窄を認めた.保存的治療により下血は消失したが,便秘・腹部膨隆が出現し,腹腔鏡補助下横行結腸部分切除術を行った.粘膜の壊死脱落,粘膜下層の浮腫と炎症細胞浸潤,固有筋層の線維化を認め,虚血性大腸炎と診断した.術後は良好に経過し,術後15日目に退院となった.鏡視下手術は開腹術に比べ不利とは思われず,外科的治療を要する高度の狭窄型虚血性大腸炎においては第1選択となると考えられた
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