発行日 2004年5月1日
Published Date 2004/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2004211690
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71歳女.2年前から回腸末端のびらんを指摘されており,今回,大腸内視鏡検査時の回腸粘膜組織生検にてMALTリンパ腫と診断された.入院時,理学的所見に異常はなく,大腸内視鏡検査,小腸造影にて回腸末端に隆起性病変の集簇とびらんを,腹部CTにて回腸末端付近のリンパ節腫大を認めた.各種検査ならびに生検の所見から終末回腸原発のMALTリンパ腫と診断して開腹し,回盲部切除およびリンパ節郭清を施行した.病理組織所見では回腸末端より約20cm口側にわたる回腸の粘膜内に胚中心を伴う多数のリンパ濾胞を認め,部分的にcentrocyte-like cellsの増殖とlymphoepithelial lesionの形成が見られた.また,免疫グロブリン軽鎖のmonoclonalityは同定されず,免疫染色ではLCA,CD20,CD79a,Bcl-2陽性,CD3,CD5,CD10陰性であった.術後は抗CD20抗体の投与を行い,術後4カ月現在,再発の徴候はない
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