発行日 2004年4月1日
Published Date 2004/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2004197368
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50歳女.上腹部痛を主訴とした.Peutz-Jeghers症候群(P-J症候群)と診断されており,胃ポリポーシスにて幽門側胃切除術を施行されていた.上部消化管内視鏡検査で残胃内に多発するポリープを認め,内視鏡的に吻合部ポリープを部分切除し,高度異型を伴う過誤腫性ポリープと診断された.その後,吻合部ポリープの増大を認め,生検でgroup IV,核異型を伴う過誤腫性ポリープと診断された.また,十二指腸下行脚に有茎性ポリープが散在しており,生検で過誤腫性ポリープと診断された.上部消化管造影では残胃吻合部小彎側に立ち上がりの急峻な隆起性病変像を認め,腹部CTでは残胃吻合部付近に著明な壁肥厚を認め,一部肝S2と接していた.また,総肝動脈起始部付近にリンパ節腫大を認めた.以上より残胃吻合部癌と診断し,残胃全摘術を施行した.病理組織所見では残胃腫瘍は高分化腺癌と診断され,一部肝組織に浸潤像が認められた.リンパ節転移はNo.8aに1個,No.1に1個存在し,組織学的診断は高分化腺癌,si,ly2,v3,pm(-),dm(-)であり,pT4(si:liver),pN2,sH0,sP0,sM0,Stage IVと診断した.術後化学療法として5-FU経口投与を開始し,併用して経静脈的投与を施行中である
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