発行日 2010年2月1日
Published Date 2010/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2010107231
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71歳男。健診の上部消化管造影検査にて異常を指摘された。胃内視鏡検査では胃体上部小彎の1型腫瘍および体中部のポリープを2ヶ所認め、生検で前者は粘液腺癌、後者は過形成ポリープであった。また、萎縮性胃粘膜よりHelicoacter pyloriの菌体を検出し、胃全摘およびRoux-en-Y再建を施行した。病理組織学的に体上部小彎の病変は2群リンパ節への転移を認め、また2ヶ所の過形成ポリープとは別に大彎側粘膜固有層、粘膜下層に高度なcentrocyte-like cellのびまん性浸潤を認めた。これらは免疫染色でCD20陽性、CD5陰性、BCL2陽性であり、胃MALTリンパ腫と診断した。術後はS-1内服を行い2年経過して再発の徴候を認めていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2010