発行日 2004年3月1日
Published Date 2004/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2004194110
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急性虫垂炎を合併した盲腸癌の2例を経験した.症例1(82歳女性).下腹部痛で近医に胆嚢結石・急性虫垂炎と診断され救急外来で緊急入院した.CTで腹水,胸水を認め,盲腸に腫瘤様の壁肥厚像と周囲の脂肪織濃度の上昇を認め,急性虫垂炎,穿孔性腹膜炎,盲腸腫瘍疑いの診断で緊急手術を施行した.膿性腹水と虫垂突起の穿孔を認め,虫垂根部付近の盲腸に腫瘤を触知し,盲腸癌の診断で回盲部切除術を施行した.術後経過は良好で第12病日に退院した.症例2(59歳女性).右下腹部痛で内科の虫垂炎診断で外科入院した.X線で腸管内ガスの増加,結腸内の糞便陰影を認め,超音波検査で虫垂腫大と内腔の高エコー・壁の低エコーを,CTで回盲部付近の腫瘤様壁肥厚像,虫垂の腫大と周囲の脂肪織濃度上昇を認めた.急性虫垂炎と診断し緊急手術を施行した.虫垂切徐を行い,根部に腫瘍浸潤所見を認めて回盲部切除術を施行した.第30病日に退院し,以後外来で免疫化学療法を行っている
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