発行日 2004年3月1日
Published Date 2004/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2004194111
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49歳女性.患者は腹痛でイレウスと診断され入院した.X線で小腸の著明な拡張と鏡面像を認め,CTでは骨盤内で小腸壁の肥厚と内腔の液体貯留を認めた.イレウス管挿入で多量の排液があり,腹部症状の軽快を認めた.ガストログラフィンの小腸造影で回腸末端の急激な狭小化を認めたが,その後,多量の水様便を認めて腸管の完全閉塞は否定され,絞扼性イレウスを疑い腹腔鏡下手術を行った.回盲部付近に拡張腸管と虚脱した腸管を認め,Meckel憩室先端が腸間膜に癒着してループを形成し,同部に小腸が入り込んだ絞扼性イレウスであった.腸管の壊死がないことを確認して整復し,回盲部より50cmの部位で回腸部分切除術を施行した.術後経過良好で16日目に退院した.以上,本症例からも原因不明のイレウスの診断的腹腔鏡手術は術後癒着の軽減や低侵襲で有用と考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2004