発行日 2004年3月1日
Published Date 2004/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2004194109
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腹部外傷に合併した腹部悪性腫瘍の3例を経験した.症例1(69歳男性).自動車運転中の衝突事故で腹部を打撲しICU入院した.緊急手術を施行し,直腸癌の穿孔を認め,Hartmann手術を施行したが,敗血症から多臓器不全となり術後30日に死亡した.症例2(60歳女性).バイク運転中,トラックに衝突し腰腹部を轢かれICU入院した.開腹手術を施行し,胃体部腫瘤を認めた.諸検査でBorrmann III型進行癌と診断し胃亜全摘術,胆管十二指腸吻合術を施行したが,約11ヵ月後癌性腹膜炎で死亡した.症例3(66歳男性).バイク運転中,乗用車と衝突し右胸腹部を打撲し,近医で肝損傷と多発肋骨骨折を指摘されICU入院した.胆道造影で総胆管結石を認め,内視鏡的乳頭切開術施行を施行した.その際に十二指腸乳頭部腫瘍を指摘され,生検で腺癌の診断を得て膵頭十二指腸切除術を施行した.術後7ヵ月経過で再発は認めない
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