発行日 2001年4月1日
Published Date 2001/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2001227857
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症例1:72歳,症例2:68歳.共に男で下血を主訴とした.症例1は,20年に亘り6回の下血の既往があり,他院で保存的に治療されて,軽快,増悪を繰返していた.小腸造影でMeckel憩室が疑われ,手術を施行した.開腹すると,回腸末端から口側の回腸に壁外性発育を示す腫瘍を認め,結果的にはgastrointestinal stromal tumor(GIST)中心部の潰瘍とそれに続く融解・壊死を示していたことになる.回腸を楔形に切除して腫瘍を摘出したが,術後3年5ヵ月を経過する現在,再発の兆候もなく健在である.症例2は入院時,下腹部に腫瘤を触知し,腹部血管造影により空腸に腫瘍血管の増生,濃染像がみられ,小腸腫瘍からの出血が疑われた.出血性小腸腫瘍の診断で,手術を施行し,経過良好である.術後,免疫組織化学所見によりmalignant GISTと診断された.小腸腫瘍の診断には小腸造影,超音波検査,CT検査が有用であり,症例2ではCTで腫瘍が同定できた
©Nankodo Co., Ltd., 2001