発行日 2003年1月1日
Published Date 2003/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2003163858
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53歳男.咽頭部痛,呼吸困難を主訴とした.血液・生化学検査では播種性血管内血液凝固(DIC),腎機能低下を認めて動脈血液分析ではアシドーシス,低酸素血症を認めた.頸部X線,頸・胸部CT所見では右側胸水貯留,頸部両側の皮下気腫,縦隔気腫および縦隔影の拡大がみられた.内視鏡像では梨状窩周囲の不整な粘膜面の膨隆とそれに伴う喉頭蓋の変形,膿性浸出液を認めた.急性咽頭炎に続発した急性縦隔炎から膿胸,敗血症,呼吸不全,腎不全,DICへと進行したものと診断した.呼吸・循環管理,全身化学療法を開始したが,両側胸水の増加を認め,細菌培養でStreptococcus anginosus,S.constellatus/milleri,Prevotella intermediaが検出された.開胸縦隔ドレナージ術を行い症状の改善傾向を認めたが,気切部周囲,口腔内より多量の出血を認め,第34病日死亡した.以上より本症例を降下性壊死性縦隔炎と診断した
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