発行日 2003年1月1日
Published Date 2003/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2003163859
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64歳男.メッシュプラグ法による鼠径ヘルニア根治術後に発熱,全身倦怠感が出現して術後感染症を疑い入院となった.血液検査で好酸球分画の著明な増加,CRPの上昇を認め,抗生物質投与を開始したが入院後10日目より左下肢筋力低下,感覚障害などの多発神経炎症状が出現した.好酸球増加,血清中IgE高値を認め,メッシュプラグに関連したアレルギー症を疑い,入院13日目にメッシュプラグ除去術を行った.prednisoloneの漸減に伴い,発熱が再出現し,更に血尿,蛋白尿の持続がみられた.入院30日目の腎生検で壊死性血管炎を認め,臨床症状,検査所見からアレルギー性肉芽腫性血管炎と確定診断した.入院37日目より,ステロイドパルス療法を行ったところ臨床症状の改善と共に血液検査所見も正常化した.入院後168日目に退院して発症後3年経過した現在,prednisolone 5mg/日の維持量で経過観察中である
©Nankodo Co., Ltd., 2003