発行日 2003年1月1日
Published Date 2003/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2003163857
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61歳女.慢性腎不全に対する生体腎移植後23年目に嚥下困難が出現し,上部消化管透視検査で食道狭窄を指摘された.食道透視所見では胸部中部食道に長径9cmの辺縁不整,境界明瞭で中心に深い潰瘍を形成する3型腫瘍を認め,食道気管支瘻の形成が疑われた.生検の結果は高分化型扁平上皮癌で,p53免疫染色陽性であった.CT検査では右頸部リンパ節転移,左主気管支および大動脈への浸潤が疑われた.以上より食道癌stage IVaと診断して本人の強い要望で食道ステント挿入術を選択した.疼痛対策としてmorphine sulfate投与を行い,ステント挿入後11日目に退院となった.しかし挿入4ヵ月後に癌性腹膜炎症状が出現し再入院となり,6ヵ月後に死亡した
©Nankodo Co., Ltd., 2003