発行日 2017年10月1日
Published Date 2017/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2017404475
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78歳男性。重症3枝病変に対する心拍動下冠状動脈バイパス術(CABG)後、発熱が出現した。胸部CTでは胸骨離開および前縦隔に膿汁貯留を認め、膿汁の細菌培養でメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)が検出された。MRSA縦隔洞炎と診断され、緊急で正中創部掻爬、胸骨ワイヤー抜去、および胸骨掻爬を行った。更に生理食塩水1000mlによる1回/日の間欠的洗浄を5日間施行後、持続陰圧吸引(VAC)療法を開始した。VAC療法開始後29日目以降、細菌培養が陰性となり、97日目には胸骨欠損部は肉芽形成によりほぼ被覆され、第114病日に退院となった。術後3年経過現在、感染徴候なく、良好に経過している。
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