臨床室
脊椎インストゥルメンテーション手術後のメチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染にリネゾリドが奏効した1例
吉田 正一
1
,
武内 晴明
,
高良 健
,
岡山 洋二
1九州記念病院 整形外科
キーワード:
Vancomycin
,
脊髄造影
,
脊椎固定術
,
X線CT
,
ブドウ球菌感染症
,
Trimethoprim-Sulfamethoxazole
,
Linezolid
,
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌
Keyword:
Linezolid
,
Myelography
,
Spinal Fusion
,
Staphylococcal Infections
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Vancomycin
,
Trimethoprim, Sulfamethoxazole Drug Combination
,
Methicillin-Resistant Staphylococcus aureus
pp.437-440
発行日 2013年5月1日
Published Date 2013/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2013211799
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83歳女。腰痛と両下肢痛を主訴とした。腰椎分離すべり症の診断で脊椎インストゥルメンテーション手術が行われたが、術後7日目よりCRP上昇、発熱、創部の発赤が出現した。術後11日目には創部から排膿を認め、膿からメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)が検出されたため、インストゥルメンテーションを抜去して2週間の持続洗浄を行うとともに、9週間にわたってバンコマイシン塩酸塩やアルベカシン硫酸塩を投与したが、再燃を繰り返した。従来の抗MRSA薬では根治困難と考えてリネゾリド(LZD)を開始し、スルファメロキサゾール/トリメトプリム合剤とクリンダマイシンの3剤併用とした結果、LZDが奏効し、MRSA感染は速やかに鎮静化した。
©Nankodo Co., Ltd., 2013