発行日 2004年11月1日
Published Date 2004/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2005055338
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過去4年間に開心術を施行した141症例を対象に,閉胸直前に温生食水洗浄を行ったA群86例(男性69例・女性17例,平均年齢62.2±13.3歳)と超酸化水洗浄を行ったB群55例(男性38例・女性17例,59.9±14.5歳)の2群間におけるメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)による創感染,術後縦隔炎発生率と死亡率について比較検討した.原疾患はA群では虚血性心疾患50例・弁膜症15例・先天性心疾患10例・大血管疾患7例・その他4例で,B群では虚血性心疾患25例・弁膜症16例・先天性疾患4例・大血管疾患6例・その他4例であった.両群間の手術内容や抗生剤使用などに差異はなく洗浄水のみが異なっていた.その結果,MRSAによる創感染と縦隔炎の発症をA群で5例に認めたがB群では認めず,他菌による創感染・縦隔炎発症を両群とも1例認めた.MRSA関連による死亡例はA群のみで3例認めた.以上より閉胸時の超酸性水による洗浄のMRSA創感染や縦隔炎の発症予防効果が示唆された
©Nankodo Co., Ltd., 2004