発行日 2009年11月1日
Published Date 2009/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2010071371
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
著者らは2005年1月~2007年4月に146症例に対して開心術を施行したが、うち6例が術後縦隔炎を起こした。6例中、開心術後正中創感染のため持続陰圧吸引療法(VAC)の適応と判断したのは3例(症例1:82歳、症例2:77歳、症例3:73歳、全例男性)であった。症例1には3週間、症例2には5週間、VACを施行し、治癒した。骨髄炎を合併していた症例3は開放創に1週間VACが施行されたが分泌物が多く、吸引が不十分であったためVACを中止した。しかし後日、胸骨骨髄炎の合併が判明、デブリドマンおよび胸腔内洗浄、大網充填術が行なわれたが、感染が再燃して術後6ヵ月で死亡となった。一方、骨髄炎を合併していなかった症例ではVACが有効であり、骨髄炎を合併していた症例では無効であることが示唆された。
©Nankodo Co., Ltd., 2009