発行日 2013年8月1日
Published Date 2013/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2013350521
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68歳男。53歳時に心筋梗塞に対し冠状動脈バイパス術が行われた。その後、糖尿病高血庄となり、58歳時に慢性腎不全、68歳時に透析導入となった。5ヵ月前、糖尿病性腎症が悪化し、前医で内頸静脈から持続緩徐式血液濾過透析を行われた。その後血液透析が導入されたが、頸部のカテーテルが長期留置となり、刺入部の発赤を認めた。3ヵ月前、発熱を主訴に透析通院中の近医を受診した。胸部CTで頸部から胸鎖関節部にかけての膿瘍と右胸水貯留を指摘され、紹介入院となった。胸水からMRSAが検出されたため、バンコマイシン、リネゾリドによる保存的治療が行われた。胸腔ドレーン排液の混濁を認め、膿胸の再燃と診断された。また、胸骨の骨融解を認めた。全身麻酔下に胸鎖関節部膿瘍洗浄ドレナージ術を行った。炎症反応の遷延がみられ、慢性膿胸によるものと判断して膿胸膜切除術を行った。46日目に軽快退院となった。
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