発行日 2017年9月1日
Published Date 2017/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2017398768
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57歳女性。労作時胸痛を主訴とした。37年前に前医で左冠状動脈肺動脈起始症に対し左冠状動脈入口部結紮および大伏在静脈グラフトを用いた左前下行枝への冠状動脈バイパス術(CABG)を施行した。1年前に大伏在静脈グラフトの狭窄による不安定狭心症を発症し、ベアメタルステントを留置したが、再狭窄のため薬剤溶出性ステントを留置した。その6ヵ月後、労作時胸痛が再燃し、運動負荷心電図で狭心症状とST低下を認めた。冠状動脈造影でステント内90%狭窄を認め、当科に紹介受診となった。心エコーで左室前壁中隔の運動低下を認め、僧帽弁の前尖の軽度逸脱による中等度僧帽弁閉鎖不全症を認めた。大動脈内バルーンパンピングのサポート下に、胸骨正中切開で心拍動下再CABG1枝(左内胸動脈-左前下行枝)を行った。術後、アデノシン負荷心筋シンチグラムで心尖部を中心に若干の再分布を認めるのみで、胸部症状の消失を認めた。
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