発行日 2010年1月1日
Published Date 2010/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2010091386
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再冠状動脈バイパス術(CABG)を行った19例を対象に、手術手技や術後成績を検討した。前回グラフトの閉塞あるいは狭窄を認めたのは14例で、うち8例は新たな病変も合併していた。グラフトは開存しているが新たな病変を認めたのは5例であった。手術経路は、再手術で付加手術を要した3例では再胸骨正中切開、残り16例は単独再CABGであり、うち11例(68.8%)は初回手術と異なる経路での再血行再建が可能で、単領域への血行再建はすべて異なる経路で施行した。6例は右冠状動脈に対して経横隔膜アプローチ、4例は回旋枝領域に対して左後側方開胸アプローチ、1例は左前下行枝の病変に対し左前小開胸で血行再建を施行した。ただし、再手術でも病変が多領域に及ぶ場合は、完全血行再建のため再胸骨正中切開を施行しており、16中5例で施行した。この場合、十分な剥離が必要であること、癒着により視野展開が十分でないことも多く、5例中4例はon-pumpbeatingCABGを施行した。全19例において術後特に大きな合併症は認めず、手術死亡例もなく、グラフトは全例開存していた。
©Nankodo Co., Ltd., 2010