発行日 2010年12月1日
Published Date 2010/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2011060417
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67歳女。臨床症状は慢性心不全、動悸であった。Bland-White-Garland症候群(BWG症候群)として紹介受診し、冠状動脈MDCT所見では左右冠状動脈の著明な拡大と蛇行を認め、右冠状動脈は大動脈基部から、左冠状動脈(LCA)は肺動脈基部からそれぞれ起始していた。BWG症候群の診断で冠状動脈バイパス術(大伏在静脈-左前下行枝)を行い、よく発達した側副血行、年齢、侵襲度、LCAの高度拡張や、術前心筋シンチグラムの負荷像で前壁から心尖部にかけて高度の集積低下を認めたことから、LCA直接閉鎖+冠状動脈バイパス術を選択した。術直後の経胸壁エコーでは左室収縮能の低下を認めたが、術後半年には心機能の改善がみられ、術後の心機能や冠状動脈径、冠状動脈の血流パターンの変化が示唆された。
©Nankodo Co., Ltd., 2010