発行日 2017年2月1日
Published Date 2017/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2017326388
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39歳男性。仕事中に心窩部の圧迫感があり、他院へ救急搬送された。左室心尖部心筋内に腫瘤を認め、手術目的で紹介となった。造影CTでは早期濃染、平衡相wash outを認め、冠状動脈左前下行枝から腫瘍への灌流が疑われた。経胸壁心エコーでは左室心尖部に約4.2×2.5×2.5cmの高輝度の構造物を認めた。血管腫、横紋筋腫、肉腫が鑑別としてあげられたが、悪性腫瘍も否定できず、手術摘出の方針となった。摘出された腫瘍は約4×3×3cm大の充実性腫瘍で、大小の血管、平滑筋組織、成熟した脂肪細胞の集簇巣が混在しており、線維組織の増生を認めた。免疫組織学的にはHMB45陽性細胞は陰性で、切離断端も陰性であった。以上より、本症例は血管筋脂肪腫と診断された。術後16日目に退院、再発なく経過良好である。
©Nankodo Co., Ltd., 2017