発行日 2017年2月1日
Published Date 2017/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2017326390
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75歳女性。69歳時に卵巣顆粒膜細胞腫(OGCT)に対し、単純子宮全摘術と両側付属器切除術を受けた既往があった。今回、胸部大動脈瘤の経過観察で、CTにて右肺底部に16mmの腫瘤を指摘され、精査加療目的で紹介となった。胸部CTでは右肺下葉S9肺底部に接する16×15mm大で、内部が不均一に造影される境界明瞭な横隔膜の隆起性病変を認めた。また、右肺S9にも22×14mm大の境界明瞭な浸潤影を認めたため、横隔膜腫瘤と右肺S9陰影に対し手術による組織検査を行った。腫瘤は直径16mm、表面は平滑類円形で、割面は乳白色の充実性であった。病理組織所見でエストロゲンレセプターとinhibinが陽性、ki-67標識率は10~20%程度であったことから、OGCTの横隔膜転移と診断された。術後は経過良好で、10日目に退院となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2017