発行日 2011年9月1日
Published Date 2011/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2012013956
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
49歳男。急性大動脈解離の診断で上行大動脈置換術を施行し経過観察していたところ、CTで下行大動脈に解離性大動脈瘤、Th4レベルで内膜亀裂を認めた。腹腔動脈、上腸間膜動脈、左右腎動脈、下腸間膜動脈は真腔から分岐し、解離腔は左外腸骨動脈まで及んでいた。下行大動脈人工血管置換術を施行し、術後循環動態は安定していたが、術後1日目より徐々に尿量が減少し、血液検査でCRE 2.49mg/dlまで上昇してその後無尿となった。緊急に大動脈CTを施行したところ、人工血管の末梢側で偽腔の拡大を認め、主要腹部臓器に分岐する真腔が圧迫されていた。緊急ステント留置術を施行し、術中から尿量の増加を認め、術後4日目にはCRE 0.86mg/dlまで改善した。術後CTではステント異常は認めず、真腔血流の改善を認めた。
©Nankodo Co., Ltd., 2011