急性大動脈解離の外科治療
すべての大動脈吻合部にelephant trunk法を応用したStanford A型急性大動脈解離の外科治療
橋詰 浩二
1
,
住 瑞木
,
谷川 和好
,
三浦 崇
,
松隈 誠司
,
松丸 一朗
,
江石 清行
1長崎みなとメディカルセンター市民病院 心臓血管外科
キーワード:
再手術
,
術後合併症
,
生存率
,
体外循環
,
大動脈瘤
,
動脈瘤-解離性
,
脳疾患
,
吻合術
,
治療成績
,
大動脈置換術
,
手術時間
Keyword:
Aortic Aneurysm
,
Anastomosis, Surgical
,
Aneurysm, Dissecting
,
Brain Diseases
,
Extracorporeal Circulation
,
Reoperation
,
Postoperative Complications
,
Survival Rate
,
Treatment Outcome
,
Operative Time
pp.263-267
発行日 2016年4月1日
Published Date 2016/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2016223995
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Stanford A型急性大動脈解離の手術に際して、著者らはすべての吻合部にelephant trunk法を応用した人工血管を用い、中枢側吻合をstepwise法で行った。今回、82例について検討した。術式は弓部大動脈全置換術が22例、弓部部分置換術を含めた上行大動脈置換術が60例であった。その結果、1)術後在院死亡は5例(6.1%)で認められた。死因は術前CPAが2例、ほか腸管壊死、下行大動脈破裂、急性心筋梗塞が各1例であった。2)早期合併症は恒久的脳障害が5例(6.1%)、長期挿管を要する呼吸不全が9例(11.0%)、気管切開を必要とした症例が4例(4.9%)であった。3)出血により再開胸止血術を要した症例はなく、また作成した人工血管に起因する合併症も現在まで認められていない。
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