発行日 2004年9月1日
Published Date 2004/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2005017158
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73歳男.胸痛,頸部痛,発熱を主訴とした.71歳時,狭心症に対して2枝冠状動脈バイパス術を施行した.CT上,上行大動脈は拡大していたが放置していた.胸部CTで,大動脈基部から弓部にかけて大動脈解離を認めた.断層心エコーでII度の大動脈弁逆流を認めた.開存するバイパスグラフトを損傷しないように癒着を注意深く剥離することにより,左,右冠洞部の外膜は周囲との剥離が可能であった.しかし,無冠洞部は周囲組織との癒着が高度であったため温存は難しく,そのため同部位を切除して人工血管側は同部のみ舌状に残す形で吻合する方法で上行・弓部置換術を行い,自己弁の温存が可能であった.経過は順調で,弁逆流は認めず,バイパスグラフトも良好に開存していた
©Nankodo Co., Ltd., 2004