胸部外科の指針
肥満がStanford A型急性大動脈解離の若年発症および術後低酸素血症に与える影響
相澤 啓
1
,
坂野 康人
,
大木 伸一
,
齊藤 力
,
小西 宏明
,
三澤 吉雄
,
大北 裕
,
森田 茂樹
1自治医科大学 心臓血管外科
キーワード:
ICU
,
危険因子
,
降圧剤
,
高血圧
,
酸素
,
術後合併症
,
人工呼吸
,
大動脈瘤
,
動脈瘤-解離性
,
発生率
,
肥満
,
酸素欠乏
,
時間因子
,
発病年齢
,
大動脈置換術
,
吸入気酸素濃度
,
動脈血酸素分圧
Keyword:
Antihypertensive Agents
,
Aortic Aneurysm
,
Hypoxia
,
Aneurysm, Dissecting
,
Hypertension
,
Intensive Care Units
,
Obesity
,
Oxygen
,
Risk Factors
,
Postoperative Complications
,
Respiration, Artificial
,
Time Factors
,
Incidence
,
Age of Onset
pp.437-444
発行日 2013年6月1日
Published Date 2013/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2013257855
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2009年1月~2010年6月に手術を行ったStanford A型急性大動脈解離51例を、体格指数により肥満群22例(O群)と非肥満群29例(N群)に分け臨床的に比較検討した。O群とN群の平均年齢はそれぞれ60.2歳・68.3歳、高血圧頻度は82%・55.2%とそれぞれ有意差を認めた。手術終了時の動脈血酸素分圧/吸入酸素濃度比はそれぞれ145・215、酸素化不良発生率は81.8%・53.6%と有意に0群で酸素化の悪化を認めた。0群22例とN群27例で人工呼吸器からの離脱が可能であったが、その管理期間はそれぞれ8.0日・3.7日、集中治療室滞在期間も13.7日・9.3日とO群は有意に長かった。肥満群は術後酸素化不良となる危険性が高いが、十分な周術期管理を行うことで合併症発生率は非肥満群と有意差を認めなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2013