発行日 2013年5月1日
Published Date 2013/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2013269702
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40歳男。3年前にStanford A型急性大動脈解離を発症し、4分枝付きHemashieldとelephant trunk(ET)を用いた完全弓部置換術を受け、以後経過観察されていた。今回、胸部下行大動脈の偽腔径が拡大傾向を認め、手術目的で紹介入院となった。造影CTで遠位側吻合部より22mm末梢の位置に慢性解離性大動脈瘤を認め、偽腔径は最大で60mm、真腔径は14mmで、真腔内に挿入されたETは偽腔の拡大により圧排され漏斗状に狭小化していた。真腔の最狭部は先端部で径8.6mmであった。手術を施行し、被膜に包まれたETによる狭窄を解除し、狭窄予防目的に人工血管に斜切開を加えた。術後造影CTで吻合部に造影剤の漏出は認めず、グラフトの狭窄もなく、術後18日に独歩退院した。
©Nankodo Co., Ltd., 2013