発行日 2009年12月1日
Published Date 2009/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2010053999
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8歳女児。主訴は発熱・咳嗽で、心雑音および心エコー上大動脈弁閉鎖不全を認めた。感染性心内膜炎の疑いで抗生物質投与による経過観察中、心拡大が進行し造影CTで上行大動脈から大動脈弓部までの血栓閉塞した解離を認めたため、心不全治療を2週間行った後、大動脈基部置換術を施行した。術後1週頃より炎症反応が再燃し、再開胸による洗浄後閉鎖式持続洗浄を続け各種培養もすべて陰性であったが、炎症反応は持続した。大動脈壁病理所見では細菌塊を伴わない著明な炎症細胞浸潤であり、CT画像の再検討にて腹部大動脈径の不整などを認めたため大動脈炎症候群と診断し、プレドニゾロン内服を開始した。その結果炎症反応は急速に改善し、第75病日に退院した。
©Nankodo Co., Ltd., 2009