急性大動脈解離の外科治療
手術手技 急性大動脈解離に対する至適elephant trunk
小泉 信達
1
,
小櫃 由樹生
,
佐藤 正宏
,
岩橋 徹
,
槇村 進
,
横井 良彦
,
川口 聡
,
重松 宏
1東京医科大学 血管外科
キーワード:
ステント
,
大動脈瘤
,
動脈瘤-解離性
,
脳循環
,
大動脈置換術
,
脳低温療法
,
ステントグラフト内挿術
,
脳分離体外循環
Keyword:
Aortic Aneurysm
,
Cerebrovascular Circulation
,
Aneurysm, Dissecting
,
Stents
pp.329-333
発行日 2007年4月1日
Published Date 2007/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2007205506
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急性大動脈解離に対する至適elephant trunk(ET)について検討した。対象はET法併用全弓部置換を行った急性A型大動脈解離29例(男性17例、女性12例、平均57.4歳)で、内訳はDe Bakey分類でI型22例、IIIb型7例であった。ETにはwoven Dacron(WD)、thin wall WD(TWD)を使用し、また本法術後解離腔に血栓化を認めず、残存解離腔拡大を認めた症例に対しては二期的にステントグラフト(SG)内挿術を行った。その結果、1)ET外側の下行大動脈解離腔血栓化を得たのはI型WDで15例中13例(86.7%)、TWDで7例中5例(71.4%)、IIIb型WDで4例中1例(25%)、TWDで3例中1例(33.3%)であった。2)二期的SG内挿術は残存解離腔拡大を認めたI型3例、IIIb型4例に行なわれた。3)ETは真腔内でしわが寄り、内膜との密着が不十分で解離腔への血流を認めた。そのため末梢吻合部を越える位置にSGを留置しバルーンで圧着した。4)二期的手術後に解離腔は血栓化し良好であった。至適ETの長さは8cm前後、口径はしわが寄らない20mm程度が良いと考えられた。
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