臨床経験
左主幹部病変に対するハイブリッド治療 低侵襲冠状動脈バイパス術と経皮的冠状動脈形成術
川合 雄二郎
1
,
新津 宏和
,
柳沢 聖
,
荻原 真之
,
濱 元拓
,
豊田 泰幸
,
木村 光
,
堀込 実岐
,
津田 泰利
,
矢崎 善一
,
竹村 隆広
1佐久総合病院佐久医療センター 心臓血管外科
キーワード:
バルーン冠動脈形成術
,
冠血管造影
,
冠状動脈狭窄症
,
非体外循環下冠状動脈バイパス術
Keyword:
Angioplasty, Balloon, Coronary
,
Coronary Angiography
,
Coronary Stenosis
,
Coronary Artery Bypass, Off-Pump
pp.414-417
発行日 2017年6月1日
Published Date 2017/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2017264345
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症例は74歳男性で、狭心症に対して、左前下行枝(LAD)および左回旋枝(LCX)に対して経皮的冠状動脈形成術(PCI)を施行した。その後、狭心症が再発し、核医学検査でLCX領域の虚血を認めたため、#14に対し再度PCIを施行した。労作時の胸部不快感が再発し、左主幹部(LMT)病変を含む多枝病変を指摘された。心エコーでは、左室駆出率63%、僧帽弁閉鎖不全II度、三尖弁閉鎖不全I度、心尖部から後壁にかけて壁運動の低下を認めた。LADに対する低侵襲冠動脈バイパス術(MICS-CABG)とPCIのハイブリッド治療を計画した。全身麻酔、軽度右側臥位、分離肺換気で手術を施行した。経過は良好で、術後2日目に一般病棟へ転出し、術後5日目に二期的治療としてPCIを施行した。PCI後の経過も良好で、CABG後11日目に自宅退院した。退院直後より従来どおりの日常生活を送ることが可能で、現在、外来で経過観察中である。
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