発行日 2011年6月1日
Published Date 2011/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2011288486
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69歳男性。食道癌により右開胸開腹胸部食道全摘および胸骨後頸部食道胃管吻合術を他院にて施行されたが、胸部不快感が改善せず、心筋梗塞と診断後、著者らの施設へ入院となった。冠状動脈造影では左冠状動脈前下行枝(LAD)の起始部と右冠状動脈(RCA)に狭窄が認められ、責任病変と考え、大動脈内バルーンパンピングを開始した。その結果、LADの血流は上昇し、胸部症状ならびにST変化は改善した。一方、LAD起始部に対する経皮的冠状動脈形成(PCI)術は主幹部や回施枝に影響を及ぼす可能性があるため、責任病変であるLADに対してのみ心拍動下冠状動脈バイパス術を施行した。術後は経過良好で、11日目には退院となり、翌年にはRCAに対してPCIが施行された。
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